Golden_Falcon’s Magia

現代魔術の実践の試み

生きている必要のない者の森

ライオンと女の子はリンゴを食べ終えた
ここから何か見えたかい?ハンスは尋ねた
女の子は答えた
ううん、鳥が来て、お母さんなんて見つかりっこないって

鳶はそんなことを言ったんだね、さあ、もう一度森の中を探してみよう
肩に乗って私のたてがみにつかまりなさい
それで2人はまた丘を下って行った
蝶々が飛んでいたり、蟻が行列していたり、鳥の声が聞こえたりするけれど
大きな動物の気配も人間の気配もしなかった
ねえ、あなたは何処から来たの?あなたのお家は何処?女の子は尋ねた
私の家はこの森の外れだよ、行ってみるかい?
うん、ハンスのお家に行ってみる
それでハンスは森の中をずんずん進んでいった

大きな千年杉の切り株の中が空洞になった家に屋根が葺いてあった
ここが私の家、私はベジタリアンだから食べ物は森で探すんだよ、びわや胡桃もあるよ
森を出たら野原で、桑の実やイチジクも生えているよ
女の子はその家に暮らすことになった、他に行くところがなかったので
毎日土遊びや虫遊びや果物を集めて暮らしたが、女の子もハンスも年を取る気配はなかった