Golden_Falcon’s Magia

現代魔術の実践の試み

それは非正規の方法

氷のドームの伽藍堂というか、ピロティのような所だった
奥に入って行けそうだが人気はなかった
大きな風穴を利用しているのかな
寒いし火の気もない
でも門の所に魔法を使う学者がいたのだから、ここは大学なんだろう
誰も居ないね、ロッテも言った
毛布を被ったまま奥へと歩いていった
明かり取りの天窓があった
氷のドームは次第に岩のドームになった

ようこそ、旅の人、ふと何処かから声がした
奥から誰か歩いてくる
初老の男性、学者の一人だろう
こんにちは・・・ここは常冬の山の大学でしょうか?
おっと、貴女はここが何処であるかも定かではないままに氷の門を入られたということか
君は毛布を被ってぬいぐるみの国の住人と山を彷徨った遭難者のようにお見受けするが?

ええ、遭難者に近いです、レニーと私は大学に興味がありました、それで来てみたのです
門の前で学者?魔法使い?が竜とひと悶着していて、竜が火球を放ったことで氷の門が壊れました
私はどさくさに紛れてその穴からここへ入ってくることが出来ました

ふむ、それは非正規の方法だ、あの氷の門を開けることが大学へ入る資格試験なのだから
まさかもしかして君があの竜を使ったということはあるかね?
いいえ、竜なんて知りません、昨日の夜中からこの辺りの空を飛んでいるのは見ていましたが・・・
ならば君があの古代の生き物を招喚したわけでもないわけだ
そもそも竜を呼ぶなんてことは古代語が分かる者にしか出来ることではないからね
ここは大学と言われているが、何かが教授されるわけではないのだよ、若い人
だから自ら研究と研巑を積むことが出来る者しか迎えられないのだ
ここはとにかく図書館は立派だ、この世界のどこにもここの巨大さに比肩する場所はない、あらゆる時代の本が蔵書になっているのだから
さて、それで、私は貴女を如何したものか・・・

ひとまず下山するまでの避難所として利用させて下さい
大学の一員になるのは無理でも構いません
私が知っている魔術は1つしかありませんし、氷の門が壊せるような代物じゃないです