Golden_Falcon’s Magia

現代魔術の実践の試み

空に飛ぶ影

熟睡できないまま朝を迎えた
もし一晩ごとに体力の回復が7割しかないとすれば、2泊して3日目には体力は半分以下になる
朝日が差すと寒さで身震いした、夜明け前の冷え込みが来た
レニーとロッテを揺り起こし、寒いから歩き出したいと伝えた
少し歩いてから朝のハチミツとマーマレードジャムにしよう、と
羽織っていた毛布を畳んでザックに括り付け、敷き毛布の霜を払って頭から被った
毛布は灰色で景色に溶け込むから、昨夜の猛禽類にも見つかりにくいはず
体が温まるまで氷雪の階段の続きを登った
夜明けの寒さが緩む頃、道に腰を下ろし、3人で朝食を食べた
私は寒いところで何日も過ごすのは無理だから先を急ぎたい、とレニーとロッテに言った

黙々と登り続けた
登るのはまだしも、アイゼンがないなら帰り道の下りは思いやられるな、と不安になった
登るにしたってゴールが不明なのだ
さらには上空に鳥のような影が時折旋回するのに気がついた
レニーとロッテにそれを伝えると彼らは空を監視してくれた

ねえ、空の影なんだけど、あれって竜じゃないかな?レニーが言った
レニーは竜を見たことがあるの?私は尋ねた
ううん、ないよ、本で読んだことがあるだけさ、大学の学者は魔法も使えるらしいから、魔法で何かやってるのかも知れないしさ
そう、竜って眼がいいって聞いたことあるから、見つからないようにしなくちゃ、この毛布は結構役に立っていると思うけどね

日はどんどん高く昇っていった
正午を過ぎる頃には階段は緩やかな登りになっていた