Golden_Falcon’s Magia

現代魔術の実践の試み

氷雪の階段

日没までは歩くことにした
山間を吹き下ろす風は冷たく、毛布とぬいぐるみ達の暖かさが救いだった
途中で毛布を頭から被るようにした
ルンゼを詰めていくとランピが言っていたように大学まで登るための階段のような登山道があった
氷雪に固まりアイゼンが欲しいような道だった
私はなんとなく思い出していた
ああ、見たことある、真冬の中央アルプスの宝剣岳に登る道に似てる、あるいは真冬の御嶽山かも知れない
でも、アイゼンもピッケルもない
どれくらい登っていけば大学の氷の門にたどり着けるんだろう
地図もなく登っていくのは不安だった
レニーに聞いてみたが、詳しいことは何も知らないようだった
薄暗くなるまでに風をよけられる場所を探した
羽織っていた毛布を氷雪の上に敷き、ザックを降ろし、ザックに括り付けていた毛布を頭から被った
ザックの中のハシバミとハチミツとマーマレードジャムを私とレニーとロッテで食べた
メイガスさんはキムくんの家に戻って来た頃だろうか
レニーが私とロッテを誘い出して大学へ向かったことを知っただろうか
でも、さすがの蜘蛛も氷の世界には来れないだろう
風は吹いていたが、空は晴れていた
夜明けと共に歩き出すからもう寝よう、レニーとロッテに言って3人で敷き毛布の上で丸くなって毛布をすっぽり被って眠ることにした
さすがの蜘蛛の毛布でも雪や氷の冷たさを遮るには十分ではなかった
寒くて時折眼が覚めたが、レニーとロッテは眠っていた
夜半から空で風が咆哮しているのか、猛禽類が鳴き声を上げているのか、何かが叫ぶ声を聞いた
暗くて何も見えなかったし、そもそもこんな氷雪の山に猛禽類なんか居るだろうか