Golden_Falcon’s Magia

現代魔術の実践の試み

ドッペルゲンガー

私は乳房に満足して、ふと洞窟の暗がりをぼうっと見つめた
するとドッペルゲンガーの幻影を見た

ドッペルゲンガーが言った
蜘蛛や乳房やぬいぐるみとベタベタするなんて、気持ち悪いと思わないのか?
誰かを無防備に信じるなんて悍ましい
そう言い放たれると自分の何もかもが気持ち悪くなり、生きていることも気持ち悪くなってしまった

ああ、もう嫌だ、何もかもが気持ち悪い
自分という存在がおぞましい、気持ち悪すぎる
もう離脱したい、消えたい、消して欲しい
蜘蛛さん、あなたなら私を殺せるはず
お願いだから殺して下さい、もう全部お終いにしたいです
私はそう叫んで蜘蛛の2本の牙をつかんだ
大きくて立派な牙だった
私は蜘蛛がそれを使うのを見たことはなかった
蜘蛛は嫌がって首を振ったが、私も彼女の牙から手を離さなかった
彼女の牙なら私の喉元を一刺しで息の根を止めることができるはず

私が牙を掴んで離さないので蜘蛛はメイガスさんに戻った
私はメイガスさんの両方の手首を掴んでいた
何があったの、ちょっと落ち着いて、ねえ、落ち着いて・・・どうしたの?

ドッペルゲンガーの幻を見たんです
蜘蛛やぬいぐるみと仲良くするなんて気持ち悪い、誰かを信用するなんておぞましいって言われたんです
それでもう何もかも嫌になって、あなたなら私を殺すことが出来るから・・・

そんなことするわけないでしょう?メイガスさんが言った
何で?私は聞いた
私はあなたに牙を刺すなんてしません
何で?質問の答えになってない
何で答えなければならないのです?
質問に質問で返さないで下さい、私は安楽死を希望しただけです
分かったからちょっと落ち着いて、ほら、キムくんもチャーリーも小熊くんも泣きそうになってますよ
メイガスさんは私の手をほどいてハグして私の背中をぽんぽんと軽く叩いた
みんなあなたとずっと一緒よ、ね、ずっと一緒だから大丈夫よ
・・・
私は小熊くんみたいな意地っ張りで泣きそうな顔をするしかなかった