Golden_Falcon’s Magia

現代魔術の実践の試み

墜落

壺を覗き込んだ
光でも闇でもない灰色が広がっていた
深さも分からない前後関係も奥行きも分からない不思議な世界があるように思えた
私は壺の中身には恐怖と畏怖と好奇心を覚えた
蛇に出してもらった壺なら私はここへ飛び込んで中身を調べないとならないのではないかと思えてきた

皆に少し下がっていてとお願いしてから私は勢いをつけてその大甕の口に飛び込んだ
誰かにローブの裾を掴まれた気がしたけれどもう壺の中に飛び込んでいた
落ちる、墜ちる、果てしなく墜落して行く、壺の口がどんどん遠ざかる
メイガスさんが絶叫するのが見えた

蜘蛛の糸のローブも誰かに掴まれたせいでどんどんほつれていって丈が短くなっていっていた
文字通り何もない灰色の世界
壺の口ももう分からないほど小さくなっていた
光でもない闇でもない灰色
落ちているのかすら分からなくなっていたけれど、ローブの裾はほつれ続けていたからきっと落ちて行ってるのだろう
でも何処へ?
糸がほつれきったとき、文字通り灰色の虚無の世界に浮かぶ塵芥になるのだろう
全部消したいと望んだのは自分だ
文句は言えまい