Golden_Falcon’s Magia

現代魔術の実践の試み

メイガス

蜘蛛が喋れるようになり、色々と話をした
夕方になって空の雲行きが怪しくなり
乾燥して土煙った空から雨粒が落ちてきた
雨が降ると土砂降りになるから、プラネタリウムの中に行きましょう
蜘蛛が言って私とクマたちを抱きかかえて地上に降りた
雨が酷くなる前にバオバブドームの中へ駆け込んだ
入り口は蜘蛛には到底狭かった
蜘蛛は何か呪文を呟いて、すると黒いフードを目深く被った一人のメイガスになった
彼女はそれで扉をくぐって入ってきた

蜘蛛さん、本当にメイガスだったんですね
驚きましたか?
どちらが本当の姿ですか?
さあ、どちらでしょう、私にもよく分からなくなりました、最初どちらだったのかはもうあまりにも古いことで定かではなくなりました
女性だけれど若くはないし、怪しく老獪な感じでもなかった
ここはあなたが作ったのですか?
そうです
あの天井から吊されているメディスンホイールは何でしょう?
かつてイクトミがオジブワ族にドリームキャッチャーを伝えたとき、最初それは赤ん坊を悪夢から守るお守りとして揺り籠に吊されました
メディスンホイールはその人自身あるいはその人のメディスンマンがひとりひとりのために作るものです
それは遊びであり、祈りであり、まじないでもあります
あなたも自分のためのメディスンホイールを作ってみては如何ですか?
でも材料とかが手に入らないと。。
雨がやんだら明日南の方に行ってみるといいでしょう、今晩はここで過ごしましょう
メイガスは蜘蛛の姿に戻ると綿状の糸を出して寝床を作った
それはプラネタリウムの薄明かりに映えて黄金色に見えた
私とクマたちは蜘蛛の懐へ潜り込んだ
私は蜘蛛の胸に顔をうずめた
バオバブドームの星空と大きな可愛いメディスンホイールと黄金色のフカフカの寝床ともふもふの蜘蛛の胸でこの上なく幸せだった