Golden_Falcon’s Magia

現代魔術の実践の試み

オアシス

黄金蜘蛛はバオバブの林を走り抜けて灌木帯に出てからオアシスのほとりまで走ってきた
私とクマたちは彼女の背中から降りた
私はすすけたクマたちを洗ってやり、蜘蛛に怪我がないか確認した
それから水浴びした
燃えさしが飛んできたけれど、火傷はしていなかった
蜘蛛は手足がふさふさで水面に浮く、というよりは沈めないようだった
彼女は水を飲んでいた
私もオアシスの水を飲み、それから蜘蛛が差し出した乳房を吸った
チョコレート味の飲み物だった
夕暮れ時になろうとしていた
小熊くんはさっきの出来事にめそめそしていた
チャーリーの笑顔は引きつっていた
キムくんが空を見て言った
なに、あれ?
え?ああっ
見たこともない大きなカマキリが空を飛んで行った
あれ、蜘蛛の巣を壊しに行ったんじゃない?
キムくんが言った
うわぁ、そうかも知れない
皆が蜘蛛の方を見た
蜘蛛は今晩はここで明かそうという仕草をした
日が暮れるとまた月が登った
十六夜の月だった
月明かりにオアシスの水を眺めていると何か水の底に光るものを見た
蜘蛛さん、何か光るものが見えるので取ってきても良いですか?
蜘蛛はちょっと驚いた様子をしてから、お腹から糸を出して私に括り付けた
光るものを回収したら合図すれば引き上げてくれるらしい