子供が読めばファンタジックな童話
大人が読めばひとりの人間の魂の叫び
独特な世界観
彼は東京時代、ゴーシュのセロを習いながら創造の病に落ちた
寝る間を惜しんで童話を書いた
次に書いて欲しい文字、次に書いて欲しい言葉が出てきて彼にお辞儀をした
賢治が見た幻灯そのものが童話になる
受難、犠牲、献身、供儀、死、復活、赦し、救済、癒し、悲しみ、原罪、祈り、苦悩
全てのモチーフは彼の見た幻灯と彼自身の感情的経験として書かれている
これは彼自身の個性化の道のりじゃないのか
同じ感情的経験があると、そのモチーフを描いた作品が放つ情動性は強烈である、苦しみを再体験してしまう
彼は子供の頃から石っこ賢さん、石の魅力に取り憑かれていた
石の持つ魔力、無意識に潜ると石に不思議が力があるのが分かる
これも体験した者にだけ分かる不思議なもの、我々の科学では説明のつかないもの